少年に持ち掛けられた商談。

万博の入り口に、岡本太郎の作品のミニチュアが入った一回300円のガチャガチャがあるんですが、なかなかのクオリティーで、思わず大人でも欲しくなる仕上がり。
興味本意で一つやると、ついつい、あと一回だけ…いや、ほんまにあと一回だけ…と何度もやりたくなるんですが、そんな人が何人もいるので、自分の前にやってた人が、開けて、見て、また気がついたら自分の後ろに並んでいて…更にまた、自分もその人の後ろに並んでたり…笑
目が何度か合う内に、何かを共有している仲間みたいな感覚さえ覚えるから不思議です。
小さな子供も少しは並んでたりするものの、どちらかというと出てくるモノより、ガチャガチャを出す作業が楽しいだけ☆みたいな感じの子が多い中…
一人…
彼は明らかに違いました。
私が一回目に出したやつと同じやつを出した時の事です。少しだけ、青や赤の色がカプセルの中に見えたので、
「あ、持ってるやつっぽい。」と呟くと、すぐに後ろから、
「すいません!」の声が。
振り返ると誰もいない!
いや、いました。下の方を向くと小さな少年が。1年生位でしょうか。
「すいませんが、それを、300円で譲ってくれませんか?!」
まだカプセルも開けて無い、説明の紙も入ってて、ほとんど中身の見え無い上に、まだ私の掌の中にほぼ収まってるカプセルをです!
どこから見えてるのか、凄い…。
それとも、私が左手に持っている、既に中身を出してある二つの戦利品を把握していて、
私の呟いた「持ってるやつや…」の言葉から一瞬で理解したのか。
とにかく凄い!
そして、それを間髪いれずに、更に値段も提示して、
「すいません!売って下さい!」と言う判断力と行動力!!そして言葉遣い!!
それはもう、とてもしっかりしています。
驚いて、彼の勢いに飲み込まれながら、
「これ持ってるやつやから、あげるよ。どうぞ。」
と差し出すと、これまたしっかりしてます。
「いえ、それはさすがに悪いので、300円払わせて下さい。」
周りで、さっきまで仲間の様に感じていたメンバーが全員ガチャガチャの手を止めて、私達二人を囲んで微笑みながら見ています。こんなに見守られながら、こんなに小さな少年から、300円受け取る勇気はなんぼなんでもありません。笑
「いや、本当に同じの二つはいらないから。どうぞ。」と差し出すと、
「本当に?!!本当に?!?!
本当にいいんですか?!!
ありがとうございます!!!」
と深々とお辞儀をしたと思ったら、踵を返して、
「やったー!!!!
やった!!やったー!!」と叫びながら走り出しました。

急に子供っぽい。笑

本当に笑えました。ドラマで見る、真剣な商談シーンで俳優さんがしてるみたいな表情で挑んで来るんですもん。(^-^)
なかなか面白い事に出くわしたなぁと、何だか私も満足になり、ガチャガチャを後に。

さてさて…
彼がそれ程欲しかった岡本太郎の作品ガチャガチャがどんなだったか…
⇩コレです。
思わず欲しくなるのも頷けるでしょ?^_−☆笑